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「声優養成所はカモビジネス…?」
「声優になりたいけど何を信じたらいい…?」
先に言っておきますが、全ての養成所や専門学校、声優プロジェクトがカモなわけではありません。
ごく一部の声優プロジェクトなど、ネット上で検索しても知名度があまりないところだと、注意が必要なこともありますが、
なかには、生徒や参加者側の被害意識が強くてカモといわれていることもあると感じます。
ここでは、カモにされるのを防ぐ方法や、声優養成所がカモなビジネスといわれる理由などについて説明します。

Aboo(アブー)
Webアニメ出演、声優養成所に2年半、
マンツーマンの声優スクール、舞台芝居を経験。
「声優を志望し始めた頃の自分」を想定して、
声優を目指す人に向けた発信をブログで行う。
現在はダンサーをメインに活動中。
カモられないためには”養成所を利用する”
「カモられたくない!」という方に向けて早速の結論ですが、カモられるかどうかは生徒の受講姿勢や気持ち次第です。
これは声優の養成所や専門学校に限らず、どんなサービスを受けるにしても同じことです。

言われたことを真面目にやってれば報われる…

先生の言う通りにやってればデビューできるんだ!

学費払ってんだし卒業までいけたら声優になれるでしょ
こういう人はカモられる可能性が高いと思います…。
なぜなら、自分の頭で考えていないから。
自分で考えて動かないと、人の言う通りに動くことになり、知らず知らずのうちに騙されることがあります。
確かに、入所・入学すれば、声優として活躍するための環境を買うことができます。
そう、あくまで買うことができるだけで頑張るのは自分なんです。
その環境で何をするのか、卒業した先を見据えて何をすべきなのか、在学中にすべきことは、、と考えることが大切です。
受け身ではなく、能動的に動くことができれば、養成所や専門学校にカモられることはなくなります。
なぜ「声優養成所=カモ」という声があるのか
「声優養成所=カモ」といわれる理由には以下が考えられます。
- 学費が高い
- オーディションの回数が少な過ぎる
- 合格=デビューではない
- 志望者が多くて倍率が高過ぎる
- なれても声優業だけで生活しにくい
- 養成所や専門学校もビジネスである
- 本当に悪徳な業者もある
学費が高い
養成所のレッスンは年間を通した金額が表示されているため、まとまった金額になります。
ただし、年間を通した金額同士を比較して安く見えるところでも、
1レッスンあたりにするとそれなりに高額だったりします。
例えば、年間20〜30万円と、養成所のなかでは比較的安価な場合であっても、
週1回のレッスンであれば単純計算で12ヶ月×4回=48回、
これで割ると4,100~6,200円/レッスンとなります。
実際には、4月の途中からスタートや3月はまるまる休みとなるため、より割高になる計算です。
年間20万円ポッキリで通えて、良い養成所といわれるところもまずないでしょう。
少なくとも1ヶ月あたり20,000円〜25,000円くらいがかかると想定すると、趣味として捉えるなら、なかなかの出費ですよね。
オーディションの回数が少な過ぎる
どんなに良いアーティストも見つけてもらえなければ、そこに価値が発生しません。
声優さんも同じで、どれだけ良い演技・良い声・良い人柄をしていても、見つけてもらえなければデビューや仕事につながらないです。
ダンサーをしている私自身も、誰かに見つけてもらえないとダンサーとして生きていけなと感じることが多いです。
声優になる場合においては、世の中に見つけてもらう手段の一つとしてあるのがオーディションです。

頑張って力をつけたのに年に一回しかオーディションがない…
これは実際に私が思っていたことです。苦笑
オーディションはスキルも必要ですが、慣れも必要です。
どういうポイントが見られているのか、どうすれば自分の魅力を良く伝えられるのか、
知って、できるようになる必要があります。
頑張ったのにオーディション回数が少ないと、「声優の養成所ビジネスってカモ…?」と思う方がいても不思議ではないです。
合格=デビューではない
何事においても、言葉の定義を確認しておくのは大切です。
よく養成所や専門学校などで「○%の卒業生がオーディションに”合格”」と書かれているのを見ます。
合格ってどういう意味なのでしょうか?
ちゃんとした専門学校や養成所では詳細が書かれていますが、
必ずしも、「合格=本所属・出演決定」とは限らないようです。
これは私がリモートでレッスンを受けていた時期、講師の声優さんやナレーターさんから聞いた話、
合格をしても、仮所属となるだけだったり、仮所属としてその事務所が抱える養成所に入ったりすることがあるそうです。
基本的に、前提条件を疑うようにしましょう。
養成所に限らずどんなサービスでも、「これってどういうこと?」と自分の頭で考える癖をつけることが大切です。
志望者が多くて倍率が高過ぎる
今は、声優志望の人口が30万人、プロになれるのは200〜300人といわれている時代です。
まぁ、私が養成所にいた2020年ごろ、おそらくそれ以前から言われている使い古された言葉なので、鵜呑みにしなくていいと思いますが。
この数字が正しいかどうかは置いておいて、なりたい人(需要)に対して仕事量(供給)が全然追いついていないのは事実です。
それゆえにテレビアニメ出演などを目標とするなら、
事務所に本所属をしてデビューして、現役の声優とも席の取り合いをしなくてはなりません。
よほどの強い気持ちがなければ挑戦を続けることは難しいです。
その倍率を身をもって実感した後に「声優養成所のビジネスってカモやん…」となるのは、無理もないのかもしれませんね。
なれても声優業だけで生活しにくい
以前、別の記事(↓2つ)でも紹介したことがありますが、駆け出しの頃は30分のアニメに出演できたとしても15,000円しかもらえません。
アルバイトや別の仕事を掛け持ちしている声優さんも少なくありません。
必死に練習してデビューまでできたのに、それだけでは生活できない。
人によっては、燃え尽きてしまう理由にもなりかねないでしょう。
本所属できたらあとはマネージャーや事務所が仕事をとってきてくれる、ではありません。
自分が、自分という声優業者の社長、個人事業主となった気持ちで、デビュー後も売り出していく気概が必要です。
ボイスサンプルをマメに更新したり、自分でイベントや知人に会いにいって仕事を獲得したり。
なったあとも、継続して自分で動く姿勢が大切です。
養成所や専門学校もビジネスである
皆さんは気になる養成所の名前をグーグルなどで検索したことがあるかと思います。
大体が「株式会社」という文字が含まれているはずです。
会社という言葉の定義には、社会に有用な役割を果たすと同時に、利益を上げる、営利目的であることも含まれます。
そう、純粋に「声優になりたい人を応援してるんです!」という言葉だけでなく、「利益も上げなければいけない」という状況にあるのです。
ビジネスである以上、良い点を打ち出す一方で、注意が必要な点はマスクしたり、別の見方で良く見せる、ということがどうしても生じます。
お客さんを集めないと資金繰りや会社の存続が危ぶまれますから…。

入所前はすごく良さそうだったけど入ったらギャップがあった…
よく情報を精査して、自分の求めていることがある環境なのかを見定めないと、想定違いでがっかりすることもあるでしょう。
耳障りの良い言葉だけを信じると、想定違いから「カモにされたのかも…」と笑えない状態になる人も出てくるのではないでしょうか。
本当に悪徳な業者もある
これもどんなサービスにおいても言えることですが、本当に悪質な業者も小さい割合ながら、いる可能性はあります。
- ネットで検索しても情報が見つからない
- 表面は問題なさそうだけど業界内からは酷いのがバレバレ
- 合格後に多額の費用が請求される
養成所や専門学校などは名の知れたところが多いかと思いますので、
可能な限り現地に足を運んで、気になることを聞いたり、他の参加者と仲良くなって情報交換したりすることをおすすめします。
現地に足を運ぶと、ネット上だけではわからなかった温度感、ネット上にはない情報がたくさんあります。
気になるところには足を運びましょう。
合格後に多額の費用が請求されるのは新興の声優プロジェクトなどが該当するかもしれません
- 「素人からデビュー」
- 「顔出しなしでデビュー」
- 「週末だけデビュー」
聞こえが良い言葉が並ぶ場合には必ず全容を理解しましょう。
新興なので、ネット上で検索しても情報があまり出てこないことがあります。
SNSなどでも検索してみると何か掴めるかもしれません。
どのタイミングでお金を持ち出す必要があるのか、そのお金はどういう理由・経緯で請求されるものか、
そのプロジェクトはどういう人を相手にどういう価値を提供しているのか、
参加したあとに自分にどのようなメリット・デメリットがあるのか、納得できるのであれば参加してもよいでしょう。
でも全ての人が“搾取されて終わる”わけじゃない
ここまで読んで気が重たくなる方もいるかと思いますが、諦める必要まではありません。
そこも一緒に考えていくための、このページです。
「それでもやってみたい」「挑む理由や勝つためのロジックがほしい」と思う方は、以降を読み進めてください。
養成所や専門学校を踏み台にする
冒頭の言葉に戻りますし、少し刺激的な言葉にはなりますが、
養成所・専門学校・スクールを踏み台にするつもりで利用し倒す気持ちが大切だと考えます。
受け身でいてはいけなくて、ベースはできる上で他者と良い意味で違っていかないといけないんです。
小さな具体例だと、養成所に入りたての頃は以下のように考えていくといいと思います。
「台本持って芝居していいって言われたけど覚えたほうが集中できるよな?」
「外郎売なんか1週間で覚えて表現もつけてきてやる!」
「台本渡された!たぶんすぐ芝居に入るから説明が終わる前に読み切ろう!」
まず簡単にできることとしては、言われたことや言われていない範囲まで手を伸ばすことです。
最初はただ過剰にやるしかできないと思いますが、やっているうちに先生の発言の意図も読み取れるようになると思います。
例えば、先生の言葉や行動から読み取れるものであれば、入門クラスならこう読み取れます。
例:先生「1週目は台本持っていいからね」→本音:厳しくしすぎてお芝居を楽しめなくなるほうがリスク
少し進んだクラスだと、こんな場合もあると思います。
例:(自分だけお芝居へのフィードバックなし)→ 本音:もっと思いっきりやれ! or お前はその調子で進め
これらが合っているかどうかよりも、人の真意は言葉に現れないということを認識しておきましょう。
最初は空回りすることもあるかもしれませんが、養成所や専門学校内にいるうちは失敗してOKな環境です。
同じ過ちを繰り返すのはダメですが、縮こまって何もできないより、
思いっきりやって失敗かもしれないけど誰かの印象に残るほうがカッコいいです。
デビューした後も土壇場で何かをしないといけない場面には多く遭遇するはずなので、
そこで発揮できる度胸を培うためにも、最初は空回りをしても思いっきりやることが大切だと思います。
やりすぎによる失敗は経験が浅いうちにしかできないことであり、
「相手の真意を読み取る」「土壇場での実行力」などが身に付くきっかけになります。
目一杯行動するのに良い環境、行動させてくれるスクールを選びましょう。
逆に「どれくらいの行動が制限されるのか」「どこまでこちらの行動に応えてくれるのか」、
こちらの動きが制限される範囲までを見て、養成所や専門学校を選ぶのもありだと思います。
オーディション回数が複数ある場所を選ぶ
まず年一回しかオーディションで見てくれないのは、個人的に論外だと感じています。
毎回のレッスンをオーディションだと思って臨むことは前提ですが、それでも年一回は少ないでしょう。
少なくとも2〜3回はないと、オーディションの経験回数という観点から、全国の声優志望者と比較しても不利になると考えます。
一方で、年間何百回とオーディションを開催しているところもあるみたいです。
めちゃくちゃ良いとは思いますが、良い面だけでなくそれ以外の面にも考えを巡らせることが大切です。
物理的・スケジュール的に全て受けられるわけではない可能性があり、どこかに受かったら他は受けられなかったり、
回数が多いことで一回あたりの有り難みやコミット具合が薄れたりすることが考えられるでしょう。
「それがデビューに本当に繋がることなのか?」という視点で自分なりに考えることが大切だと思います。
可能な限り東京校に通う
やっぱり声優のお仕事や現場は東京が多いですし、声優志望を目指す人の中でも熱意の高い人と遭遇しやすいのは東京だと感じます。
講師も、地方の校舎だと一番上のクラスなのに、声優経験のない方が担当せざるを得ないケースもあります。
(↑について書いた記事は↓こちら)
現役の声優や音響監督の方を呼んだワークショップや体験会なども、物理的に東京が多いです。
地方で頑張らざるを得ない方もいるかと思いますが、
「あの時に少しでも無茶して上京してたら…」と少しでも思いそうな方は、
実際の資金やスケジュールのシミュレーションをしてみることをおすすめします。
養成所では分割払い、専門学校では分割払いだけでなく教育ローンなどを組んで入学する方も多くいます。
例が知りたい方は以下のページ「3-5. 奨学金制度や教育ローンも利用可能」もご覧ください。
”息の長い声優”として生き残る方法
ここまで読まれている方はお気づきかと思いますが、声優を目指したり、声優として生き残るには、
数年間にわたって継続する努力や取り組む力、経済的・人生的な体力が必要だと考えられます。
今、現役で活躍されている声優さんが数十年単位で売れっ子なことからもわかる通り、声優は長く続けられる仕事でもあります。
ここでは、声優としてデビューするために、そして、デビューした後も長く続けるためにできることを紹介しますね。
声優だけでなくナレータースキルも磨く
世の中の需要として、キャラクターとしての演技が求めらる母数と、何かしらのナレーションの母数だと、
ナレーションのほうが需要が生まれやすいです。
また、ナレーションを求める人はというと、大手企業な大きい組織など、資金を持っているところも少なくありません。
それだけナレーターに入るお金も大きくなる構造です。
生きていくことを考えると、声によるお芝居だけでなく、ナレーションの技術も磨いておくとよいでしょう。
声優とナレーターは似た仕事だと思われがちですが、求められるスキルはかなり異なります。
我流ではなく、スキルを教わることをおすすめします。
クラウドソーシングで声優の仕事を探す
新型コロナの流行でリモートによる働き方が加速したのは声の業界も同じです。
ランサーズやクラウドワークスなど、ウェブ上で仕事の発注・受注ができます。
これによって、音声ファイルを納品するお仕事を見かけることも増えました。
私も実際に、ヨガインストラクターになりきって声を納品したことがあります。
宅録の機器を揃える必要はありますが、生き残るためには必要なものだと考えられます。
自主制作も視野に入れる
アニメの制作ができる人がいたり、生成AIなどで動画を作れたりするなら、簡単な自主制作から始めてみるのも良いでしょう。
その制作物をYouTubeやSNSにあげると、作品がきっかけで何らかのお仕事に繋がるかもしれません。
声優のお仕事はスキルも大切ですが、そのキャラクターに合う声質がどうかが大切、とも言われます。
多少拙い制作物になってしまったとしても、望みは持てますよね。
融通の効く働き方やスキルを身につけておく
リモートのお話と通じることですが、ウェブ上で他の業種の仕事を受けられるように何らかのスキルを磨くのも良いことです。
最近では3〜6ヶ月ほど集中して勉強すれば、仕事を受けられるだけのスキルを身につけることは可能です。
例えばプログラミング、ライティング、AI、など、時間と場所に縛られずにできる仕事は多くあります。
実際に私はブログで書いた記事をもとに、ライティングの活動も始めています。
受注してちゃんとこなせば、実績が自分に残るため、単価をあげていくことも可能です。
アルバイトだと時間と場所に縛られやすいですし、将来性も限定されます。
気になる方は、どんな仕事に需要があるのか、クラウドワークスやランサーズで調べてみると良いでしょう。
まとめ|あなたが仕掛ける側です
まずは立場として、養成所や専門学校に入るあなたのほうが仕掛ける側だとマインドを改めましょう。
スクールの類は、自分が目標を達成するための手段の一つでしかありません。
(もちろん、そこで出会う人たちとの間に人情やドラマはあり、それも大切なことです)
入所・入学することが目的にならないように気をつけて、自分の欲しいものが手に入る場所かどうか、
精査して、デメリットも理解したうえで進めば、「カモられた!」と思うこともないでしょう。
最近見ているなかで、しっかり頑張れる環境として良いのはKADOKAWAアニメ声優アカデミーだと思います。
冬に入る前からAO入試もしているため、気になる方は【無料で資料請求】をしてみてください。