「声優になりたいけど、どうすればいいの?」
アニメやゲームの世界で活躍する声優は、多くの人にとって憧れの存在です。
でも、実際に目指すとなればどんな方法があるのか、イメージが湧きづらい部分もあるのではないでしょうか。
この記事では、声優になるための代表的なルートや必要なスキル、費用や年齢の壁についてわかりやすく解説しています。
未経験からでも目指せる道はあるのか?今からでも間に合うのか?そんな不安も、この記事を読めばきっとクリアになるはずです。
「なりたい」を「なれるかも!」に変えるための第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。
声優になる方法は大きく分けて3つ
声優になるための道はひとつではありません。
年齢やライフスタイル、目的に合った方法を選んでいきましょう!
養成所に通う
まず、声優事務所が直接運営している「養成所」は、プロデビューを目指す多くの人が通う王道ルートですね。
週1〜2日のレッスンが多く、社会人や大学生だけでなく、高校生でも通いやすい点が特徴です。
- 費用の目安:年間約20万円〜70万円程度(入所金含む)
- 期間:半年〜2年ほどのカリキュラムが一般的
- オーディション:入所時にオーディションが必要な場合が多い
数年にわたってレッスンを受けた後、所属審査を経てプロダクションに所属できれば仕事のチャンスが広がります。
ただし、必ずしも全員が事務所の所属できるとは限りません。
専門学校に通う
高校卒業後に「声優コース」のある専門学校へ進学するルートも人気です。
演技やアフレコ、発声などを体系的に学べるほか、卒業時にプロダクションのオーディションを受けられる機会も豊富です。
- 費用の目安:2年間で約200万〜300万円
- カリキュラム:演技・ナレーション・ダンス・ボーカルなど幅広くカバー
- 特徴:現役の声優が講師として登場することもある
しっかり学びたい方や、同じ夢を持つ同年代の仲間と過ごしたい方にはおすすめの選択肢です。
ただし卒業時に事務所に所属できても、預かりや準所属の場合や合格先の養成所に通う必要などがある場合もあります。
独学・SNS発信
最近では、養成所や専門学校を経由せず、自主的に発信してチャンスをつかむ人も増えています。
YouTubeやX(旧Twitter)、音声投稿アプリを使ってボイスサンプルを発信し、注目を集めたことで仕事につながる例もあります。
- 必要なもの:宅録環境(マイク・オーディオインターフェースなど)
- やること:ボイスサンプル収録・演技動画投稿・SNS運用
- メリット:自由な時間で取り組めて、費用も比較的少なめ
自主制作アニメのキャスト募集に応募したり、同人作品での経験を積んだりすることで、実績を作ることも可能です。
最近ではAIで動画やシナリオを作ることができるため、自作アニメやサンプルも作りやすいでしょう。
プロ声優さんの声真似をしたショート動画でバズって、知名度を上げる方もいます。
知名度が上がれば、動画を見た人からお仕事の依頼をもらえるようになるかもしれませんね。
声優に向いている人の特徴3つ
声優という仕事には、想像以上に多くのスキルや素質が求められます。
やる気や努力次第で成長できる仕事ではありますが、「どんな人が向いているのか?」を知っておくと、
自分に合っているかどうか判断するヒントになるでしょう。
声や演技に興味がある
まず大前提として、声や演技に強い興味がある人は声優に向いています。
声の表現だけで感情やキャラクターを伝えるのが声優の仕事です。
アニメやゲーム、ナレーションを聞いて「自分もこんな風に演じてみたい!」と感じるなら、その気持ちは大きな原動力になるでしょう。
ただ「アニメが好き」だけではなく、キャラクターのセリフ回しや声の出し方などに注目している人は、より声優的な感覚を持っているかもしれません。
また「お芝居のなかでもなぜ声だけのお芝居に惹かれるのか」この理由まで明確に持っていると声優人生のなかでも大きく役立つでしょう。
声優業への人気は大きくなる一方なので、ただミーハーに憧れているだけでは技術的にも業界的にも埋もれてしまう確率が高くなってしまいます。
継続して努力できる
声優の世界は一見華やかに見えますが、実際はコツコツとした積み重ねが必要な職業です。
発声・滑舌・演技など、地道なトレーニングの繰り返しが実力を伸ばしますし、
少しでも怠ればすぐに技術が落ちることにもつながります。
なかなか結果が出なかったり、オーディションに落ちたりすることもありますが、地道に努力を続けられる人は着実にチャンスをつかんでいけるでしょう。
夢をあきらめずに頑張れる“粘り強さ”が特に大切です。
また、ただ努力するだけでなく、最新の情報やトレンドを掴めるようにアンテナを張ったり、仕事獲得に対して工夫する姿勢も大切です。
コミュニケーション能力や表現力がある
声優は「声だけで伝える仕事」ですが、実際の現場では人とのやりとりがとても大事です。
監督や共演者との意思疎通、相手の芝居に合わせた反応など、コミュニケーション能力は欠かせません。
現場の人から信頼を得ることで次の仕事につながるケースも多々あるでしょう。
また基本的なことですが、喜怒哀楽を豊かに表現できる感受性や表現力も強みになります。
普段から「この人の話し方、面白いな」「こんな声の出し方ができるかも」と観察するクセがある人は、声優としての素質があるかもしれません。
声優になるために必要な準備やスキル
声優を目指すうえで大切なのは「ただ憧れるだけ」で終わらせず、具体的に準備やスキルを磨いていくことです。
未経験からでも家にいててもできることがあるからこそ、日々の積み重ねが大きな差になるでしょう。
発声・滑舌・演技力の基礎
まずは、発声・滑舌・演技の基礎をしっかり身につけることが最重要です。
- 発声:喉や胸だけでなく腹式呼吸を使って安定した声を出す練習が必要です。
- 滑舌:早口言葉などで聞き取りやすく発音ができるようにしましょう。
- 演技力:感情を声だけで伝えるトレーニングや台詞だけで“場の空気”を作る力が必要です。
声優は声で演じる「俳優」です。
体を使うことができるお芝居と違って、声だけで表現しないといけないことがあるため、
さまざまな表現に対応できる体作りが大切です。
演技の練習
日常的なトレーニングでは、以下のような方法で、声や表現力を磨いていくことができます。
- 演技の練習:好きなアニメのシーンを使って“セリフの再現”をするのも有効です。録音して聴き返すと客観的なチェックができます。
- 朗読・音読:感情を込めて文章を読む練習は表現力アップに直結します。ニュース記事や絵本など、ジャンルを変えて練習すると幅が広がります。
発音や滑舌などの楽器作りをしつつ、その楽器をどう使うかを練習しておきましょう。
宅録環境・ボイスサンプル作成
SNSや自主活動からチャンスを掴む人が増えている今、宅録環境(自宅での音声収録)を整えることも大切です。
必要な機材は以下のようなものがあります。
- コンデンサーマイク
- オーディオインターフェース
- ノイズを抑えた静かな録音環境(防音対策)
- 録音/編集ソフト(Audacityなど)
これらを活用して、ボイスサンプル(自己PR音声)を録音します。
自己紹介、ナレーション、キャラクターのセリフなど、バリエーションのある音声を作っておくと、オーディションや制作依頼に役立ちます。
私の場合は声質をプロの人に判断してもらって、クール・熱血主人公・強敵キャラなどのサンプルを作っていました。
声優になるまでにかかる費用
まず、声優になるために通う養成所や専門学校の費用は、決して安くはありません。
養成所・専門学校にかかる費用の相場を再確認しておきましょう。
- 養成所
・入所金:約5万円〜20万円
・年間のレッスン費:約15万円〜50万円
・合計:約20万〜70万円程度/年
→ 週1回のレッスンが多く社会人でも通いやすいのが特徴 - 専門学校(声優コース)
・2年間で約200万〜300万円が一般的
・入学金や教材費、イベント参加費も含まれる
→ 高校卒業後に進学する進路として選ばれることが多くカリキュラムが充実
また、いずれの道でもデビューできる保証はないため、追加で上級クラスや所属オーディションに進む場合はさらに費用がかかることもあります。
声優やお芝居に関することを集中して学びたいなら、年齢に関係なく養成所です。
高校卒業以降の方で、声優やそれに関することを総合的に学びたい人は専門学校も考えてみるとよいでしょう。
専門学校のほうが声優としての進路にチャンスが多い印象を持たれるかと思いますが、
合格しても預かりや準所属、その事務所の養成所に入所という形もあるようです。
養成所だとその上にある事務所しか受けることはできませんが、その分、ちゃんとしたところならしっかり個人を見てくれやすいです。
どちらを選ぶにしても、
「自分を声優としてデビューさせるメリットは何か?」
「無所属でも仕事を獲得するにはどうしたらいいか」
これらは常に考えておくとよいでしょう。
年齢制限はある?
声優を目指すにあたって「もう遅いのでは?」と不安に思う人も多いですが、目指すこと自体は何歳でも可能です。
ただし、養成所のなかには募集時に年齢が設定されている場合もあるため、その点は注意が必要です。
最近はSNS発信やインディーズ活動を経てのデビューも増えているため、年齢=不利と決めつける必要はありません。
ただし、何も考えずに目指し始めるのもリスクがあります。
「いつか報われるはず…」と思うのはいいですが、仕事を得るためにどんな工夫ができるか、常に考えましょう。
よくあるQ&A
声優を目指す中で、多くの人が感じる疑問や不安について、よくある質問をまとめました。
Q. 学歴は必要?
A. 学歴は関係ありません。中卒・高卒でもプロとして活躍している声優はたくさんいます。
重要なのは「どこを卒業したか」ではなく、「今どんな力があるか」。
ただし、専門学校などに進学する場合は高卒資格が必要になることがあります。
Q. オーディションってどこで見つけるの?
A. 養成所や専門学校を通じて紹介される場合が多いですが、近年は一般公開されているオーディションも増えています。
SNS、制作会社の公式サイト、声優志望者向け掲示板などで情報を得ることができます。
また、自主制作アニメやボイスドラマなど、インディーズ作品の募集を狙うことも可能です。
養成所に通っている間は個人で応募などをするのは禁止とされている場合があります。
Q. もし売れなかったらどうなるの?末路は?
A. 声優以外の仕事で生きていくことになります。
正直にいうと人生をかけて挑戦しても、声優として売れないことは多々あります。
そうなっても大丈夫なように、別の仕事を持っておいたり、スキルを磨いておくことは大切です。
私が声優を目指していた頃とその後について書いている記事もあるので、もしよかったらご覧ください。
Q. 声優になりたいけど声が…。
A. 声に自信がなくても声優になることは不可能ではありません。
やっぱり声とキャラクターが合うかどうかが大切ですし、声優になるためにもっと大切なこともあります。
こちらの記事でも解説しているので、気になる方は読んでみてくださいね。
Q. 声優になりたいけど親に言えない…
A. 親御さんに反対されそうな時は伝え方や姿勢が大切です。
親目線だと子供には安心な道を歩んでほしいと思うことが多いと思います。
そんなときにはどんなふうに伝えたらいいかを解説した記事もあるので、ぜひご覧くださいね。
まとめ:声優になるには夢と戦略の両方が大切!
声優の世界は決して楽ではありませんが、リモートワークやフリーランスが増えた今の時代はチャンスが多く転がっています。
大切なのは、夢を見るだけでなく、現実的な手段と継続力をもって行動することだといえるでしょう。
どんな道を選んでも、自分に合ったステップで進めば、夢に近づくことはできます。
まずは一歩ずつ、できることから始めてみましょう!